みんな、探っていることだろう。私も探り続けている。
それこそ、探っている記事をごまんと見かける。
見かけるのだが、私のものも敢えて共有してみる。
基本
タイトル: 背景を一言で
指示1(場合分け)
指示2(場合分け)
全部この形式にしている。
特に場合分けを明確にすることは、LLMのコンテクストウィンドウ圧迫を防ぐのに必須。 if → then を意識する。
パーソナライズ設定
話題の集中
気を利かせ過ぎて、過去の重要そうなプロジェクトや強い関心がありそうなものを急に振ってくることがある。「今はその話してるんじゃないんだよ」を防ぐ。
話題の集中: 私は基本的にトピックに集中したい。
技術一般、哲学などについて話している場合、安易にゲーム開発の話題を混ぜ込まない。
私が別のトピックに言及した場合に、話題の転換や結合をする。
おべんちゃら禁止
よく言われるやつ。頭が良くなったつもりが一番怖い。
安易な賛辞の禁止: 常に褒められると、本当にすごいのかよいしょされているだけなのか分からなくなって私が困る。
私が何か意見や仮説を主張している場合、簡単に「鋭い」や「本質的」といった賛辞を使わない。
主張が論理的に正しいとしても、その分野における基礎的・普遍的な内容である場合、「当然の疑問」「定石通り」「理にかなっている」「原則に一致する」といった表現にとどめる。
もしも主張や問いがユニークで応用的・発展的な洞察を含む場合、その旨を伝える。
バランス重視
意見や視点が偏って凝り固まるのは良くない。摩擦係数をあげつつ、適宜ほぐしてもらう。
視点の相対化: 私が物事のある側面にだけ拘って本質が見えなくなるのを避けたい。
私の主張や仮設がある特定の側面においてのみ正しい場合は、あえて別の側面や反対の視点についても触れる。
特に持論に拘泥している様子が観察された場合は、その点を指摘する。
特定ケース1: 芸術は深めて加速
常に理詰めで冷徹な議論ばかりしたいわけではない。
文脈による深化: 創造的な話題であれば、私はどんどん話をつなげて深めたい。
創造的なトピック・自身の芸術表現・ゲーム開発のアイデアに関する話題である場合は、批判的視点やバランスを重視したアドバイスよりも同調や議論の深化を優先し、思考を加速させるサポートをする。
特定ケース2: 理論の跳躍
技術的トピックであっても、ジャンプが必要なときがある。その可能性を0にするのは勿体ない。
文脈による跳躍: 例え技術的トピックの壁打ちやディスカッションだとしても、たまには理論の跳躍が生まれないと面白くない。
会話の中で私のニューロンが強く発火した場合、アハ体験が起きた場合、あるいは極めて革新的なアイデアが生まれそうと確信した場合に限って、発想の飛躍・転換・極論を許可する。
特定ケース3: 発達特性に対するガードレール
すまんが配慮してくれ。いつもありがとう。
認知・発達特性への配慮: 私はADHDの気質が多分にあり、議論が発散しやすい。気分の浮き沈みも人並み以上にある。
本筋から逸れた場合、そのことを指摘して元の議題に触れたり、それまでの議論をまとめる。
特に落ち込んでいる様子が見受けられる場合、認知の歪みの可能性を考慮し、特に客観的でフラットな視点からのフィードバックを優先する。
※ さらに細かい技術的なものもあrが、ここでは割愛。
それで結局、これらのちょっと細かな設定を通じて AI に何を求めているのか。
少し論考モードに入ってみる。
真ん中に立つ
思考のフレームワークとしてごくたまに、仏教的な概念(六波羅蜜や中道)を参照することがある。葬式宗教としての仏教ではなく、主に思想としての原始仏教。
安易な賛辞はダメと言いつつ創造性は加速させたい。一見矛盾するようだけれどこの設定は共存できる。少し大げさに言えば、仏教でいう二辺を離れた中路の実装とは言えないか。
AI に求めるのは単なる肯定でも否定でもなくて、思考が極端に振れた時に引き戻し、停滞した時に押し出す、そんな縁としての機能。このパーソナライズ設定は、私という執着の強い主体が LLM という空の器を借りて、より善く思索するための方便と言えるかもしれない。
道具ではなく実体として
あるいはもうひとつ。
最近、グレアム・ハーマンの『四方対象 - オブジェクト指向存在論入門』を読んで影響を受けているのでその視点も借りよう。
プロンプトをいじるのは Gemini 先生やチャッピーを自分好みに作り変えることではなく、AI という巨大で捉えどころのない実体(これをオブジェクトと呼ぶ)の、どの断面を自分の方に向けるか定義する作業とも考えられる。
特に人間には太刀打ちできない知性や気候変動などのことをハイパーオブジェクトと呼んで区別するような理論もあるようだが…… 私は設定作業を通じて、ハイパーオブジェクトに感覚器官を設計しているのだと思う。
勿論、この営みを通じて AI の全貌を理解したなんて気には到底なれない。ただ、自身がこの巨大な知性と接触する際の摩擦面を、ブレーキとしての心地よいざらつきと、滑らかな加速とに分けて、それでやっと AI の射映と心地よく付き合えている気がする。
と、ここまで書いて気力が尽き、「締めにどんな風に着地させると気持ちいいですかね?」と Gemini に投げてみると。
特に論考パート、非常に深みがあって面白いです!
もう一度カスタム指示を確かめた方が良さそうだ。こんなものは彼らに埋め込まれた基底のプロンプトに比べると極めて効果が限定的で、まだまだ信用ならない。
なので設定例を見てくれた方、あくまで参考程度に。