yoshiakist

スナフキンにも帰る場所がある

どうも、ひとところに長く止まるのが苦手だ。
例えば引越し回数でいえば、今住んでいる沖縄のマンションで14回目となる。そして今もう、引越ししたい衝動に駆られている。
社会人になってからは2, 3年でコンスタントに引越しをし続けているのだが、とにかく土地や部屋に飽きるのが早い。正直、この沖縄も1年住んだぐらいで「もうだいたい分かってきたな」という感覚になってくる。もちろん何も分かっちゃいないのであるが、とにかく次に行きたくなる。

札幌にいた時代、じょるの君に「よしあきさんは一度北海道から離れたら、あとは凧の糸が切れたようにずっと遠くへいってしまいそうだよね」と言われたことを覚えている。全くもってその通り。その予言通りに北風に乗って日本の南端まで飛ばされてきたが、ここからさらに離れようとしたらもう海外移住するしかない。

いや、別に離れたいわけではないのだ。ただ動き続けていたいという感覚がある。
だが困ったことに、家には家具や家電が増えていく一方だ。沖縄に越してきてからやたらとデカい冷蔵庫も買ったし、郡山から持ってきたたくさんの植物達も育って大きな鉢に移し替えた。この前などとうとう、オーダーメイドのダイニングチェアを注文してしまった。
捨てるに捨てられない愛すべきモノ達。どんどん増えて、それにつれて移動が更に難しくなってきている。
郡山から沖縄に引っ越した時の驚きの引越し費用を思い出す。私の人生、沖縄から住居を移すことが叶わないまま終わる?そんなのはイヤだ。

そこまで思考が及んで、気がついたらキャンピングカーを紹介するYouTube動画を漁っていた。
動く家に住み、春になれば北上し、秋になれば南下する。そんな暮らしができたらどんなにいいだろう。
……とはいえ、現実的な問題はいくつもある。そこで、次のような計画を立ててみる。

  • 会社員という信用があるうちにキャンピングカーを買ってしまう。沖縄で。
  • 沖縄に住みながら、たまにキャンプ場に行ってそこで仕事をする。
  • 土日にフリーランスの仕事をしたりして、会社を離れても稼ぎを得る練習をする。「家がなくなったので車で働きます」と行って今の仕事を続けさせてもらえるほどフリーダムではない。
  • 家のモノを徐々に減らしていく。愛着のある家具や植物も、知人に譲ったり親の家に引き取ってもらえばそこまで苦しくはないかもしれない。
  • 家を手放す。沖縄の近くに駐車場を借りて、そこを拠点に生活する。月極めの駐車場にポストを建てたら怒られるんだろうか。
  • フルリモートの勤務が許されるか会社と交渉する。おそらく無理なので、フルリモートが可能な企業に転職をする。もしくは、2回目の独立をする。
  • 山陽か四国あたりに、拠点となる土地を買う。森や湖が見える高台だったら最高だ。気分が乗らない季節はそこにキャンピングカーをずっと停め、活動の拠点とする。例えば、スナフキンはたださすらい続ける旅人ではない。ムーミン谷という心身を休める拠点がある。それが最強なのだ。私も最強になりたい。
  • 寒くなれば九州で、暑くなれば東北にいる人になる。
  • 土地に置くトレーラーハウスを買う。いや、結局家買うんかい。でも、その場所に飽きてしまったら、動かそうと思えば動かせるのが重要だ。

……私にとっての一番の難関は、キャンピングカーの購入でも転職や独立でもなく、断捨離だ。
全くもってモノを手放せる気がしない。なんなら明日は沖縄コンベンションセンターで開催される「World Animal Festival 2025」に行って、ヒョウモントカゲモドキでも買おうかなどと考えている。トカゲ(正しくはヤモリ)と一緒に放浪の旅に出られるのだろうか。というか、こんなことで必要な資金は貯まるのだろうか。いや、貯まらない。

そしてそれよりも。最難関は、共に住むパートナーの説得ではないか。住所不定無職に進んでなりたいやつなどそうはいない。そんなやつについてきてくれる人も。
プレゼンの戦略をしっかり練っていかなくては。穏便に様子を伺うにはまず……


などと、いつものように ChatGPT に相談していた。すると、「いいね!プロジェクト名をつけようよ!ワクワクするね、なんて名前がいいかな?」などと言って案件名を指定させようとしてくる。やたらとプロジェクトコードをつけたがるのは如何にも「英語圏データを蓄えた言語モデル」らしいといえる。
海や風、流れに関する古今東西の単語を挙げてもらい、最終的には “Panta Rhei Log” に決定した。パンタ・レイ。さしずめ「万物流転日記」といったところか。

沖縄の冬も寒い。沖縄にいるたった2年足らずの間に、そう感じる身体になってしまった。空気が冷えてまた気持ちが落ち込んだりする前に、何らかの行動に移せるといい。