同僚のみっちゃん邸に遊びに行った。
八重瀬へは思ったよりも遠く、宜野湾まで出社しているみっちゃんの気苦労が知れた。
この夏に新築したばかりのお宅は隅々まで家主の設計が行き届いており、凜としてクールな佇まいだった。なんでも、細かい部分のほとんどは奥さんが決めたのだとか。
リビングの巨大な窓にはカーテンがなく、常に外の天気や季節を感じられるような造りになっていて、隠し事もできないような家だ。結果的にはとてもみっちゃんらしい仕上がりになっていたと感じてなんだか嬉しかった。
お祝いということでスパークリング・赤・白を持っていったが、用意してもらっていたステーキや刺身、持って行ったピザのどちらにもよく合っていて楽しい食事だった。
聞くと、なんとシアタールームがあるという。思い切って『BLUE GIANT』を観たいというと、ありがたいことに一緒に鑑賞させてもらった。
劇場で見逃していてBlu-rayを借りたことがあったが、どうしても最高の音響でもう一度この作品を観たいと思っていた。
案の定、何度も涙が溢れ出てきた。1回目とは違う箇所で泣けるから不思議だ。
そのまま、シアタールーム内のスペースに泊めてもらった。
帰宅してから新築一戸建てへの情熱が急に湧き、翌日すぐにスーモカウンターに突撃した。コーディネーターが無料で相談に乗ってくれ、各ハウスメーカーによしなに取り継いでくれるらしい。
「いやー、まだ新築か中古かでも迷ってるぐらいなんですけどね、ははは」などと言いながらも、あれよあれよという間に翌週ハウスメーカー2社と面談することが決まってしまった。
早速、マークダウンを使って私と妻のプロフィールや趣味、性格をまとめ、メーカーの方に家主のペルソナが明確に伝わるようにする。
そして、スプレッドシートには新居に求めるユースケースと要件、候補地のリストも作成していく。要件一覧では、夫と妻それぞれにとっての重要度を数値化して入力していく。
これはもはや仕事である。失敗できない一大プロジェクトで、メーカーの方に全てお任せというわけにはいかないのだから、本気で取り組むしかない。結果、至って普段の仕事らしくなってしまうのも無理からぬことだ。
これまでで最も大きな出費は沖縄への引越し費用。ついで、中古車の購入。
そして桁が2つほど飛んで、うん千万のローンを組もうとしている。
まだ現実感は湧かない。しかし一方で「はい、はい」と返事をしていれば本当に建ってしまいそうな気もしていて恐ろしい。
どうなるか一切分からない状況にこの上なくワクワクしている。