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みっちゃん

みっちゃんは太陽のような男だ。彼の周りには自然と人が集まり、彼が笑うとみんなも笑う。なんせこの前は彼の邸宅に38人の親戚が集まってバーベキューを振る舞ったという。いくらなんでも集まりすぎである。

今週はトバさんが大阪から出張で来ており、開発合宿の締めとして彼はみっちゃんのお宅に泊めさせてもらうことになっていた。で、なぜか私達夫婦も泊めさせてもらった。みっちゃんは懐が深すぎである。沖縄の男はみんなこうなのだろうか。
彼の家に泊まるのはこれで二度目だ。彼の邸宅にはシアタールームがあり、例によってそこの隅で寝させてもらった。相変わらずしっかりと暗くて、静寂に溢れている、大変落ち着くスペースである。一方私のマンションの寝室はというと、早朝に浮浪者が缶ゴミを漁りに来る音で目が覚める。こんな部屋をさっさも離れ、サトウキビ畑に囲まれた場所に家を建てたいという気持ちがまたむくむくと湧いてくる。

朝から生憎の雨で、予定していた釣りはお流れとなってしまった。ロッドとリールとルアーを一通り買い、入門する準備をばっちり整えていただけに悲しい。4月下旬に梅雨入りしてしまう沖縄の空を恨む。
トバ師匠が次にくる時はいつだろうか。彼に釣りを教えて欲しかったが、こうなったら自力で始めるしかないだろうか。ときにトバさんは釣りの他にパチンコやガンダムも達者なのだという。なかなかに守備範囲の広い男である。彼の懐もまた深いのだ。

昼前になってもまだ雨が降り続いているが、タープの下でBBQを開催した。みっちゃんの庭にはでかいキャスター付きのBBQコンロがあり、網とのコンボで大量の肉が焼ける。
コンロには蓋がぴったりとしまるようになっていて、そこでピザも焼けるのだという。こんなものアメリカ人しか買わないだろうと思っていたのだが、流石はみっちゃんである。
ピザは締めに出てくるのかと予想していたところ、初っ端からサーブされる。いきなりフルスロットルである。生地がクリスピーで大変美味しい。
みっちゃんが次から次へと肉を焼いていくが、冒頭15分で急激に腹がいっぱいになる。昨晩の居酒屋で菊の露ブラウンを飲みすぎたのが祟ったのか、胃が全く動いていない。
みっちゃんのBBQ魂に火がついているというのに、あまり沢山食べられなくて申し訳ない気持ちになる。肉は美味かったよ。
また誘ってくれる機会があれば、コンディションを整えてまた参加したいものである。

肉を食べた後は、開発合宿の疲れもあったためか、MPが完全に切れて人と話すことができなくなってしまった。こうなると私は、一日中布団に入って充電しなければならなくなる。
人と会ったり話すことでMPが回復するタイプの人はすごい。いかにも人生が成功しやすそうである。それに対して私などは、布団に入った瞬間に人生が成功している。布団に帰りたい。

みっちゃんは太陽のような男だ。
身体も心もデカい彼の優しさに乗っかりっぱなしだが、次は何か手土産の一つでも持っていかなければなるまい。